
近年、シックハウス症候群や環境由来のアレルギーに多くの人が悩まされています。これらの症状の原因となる化学物質などの環境要因や発症のメカニズムの大半は未だに解明できていません。これらの症状に苦しんでいる方の多くが、次世代をになう未成年です。
これらの症状に悩まされている方の生活の質を向上させるには、医学的に症状に対処し、また研究するだけでなく、生活環境全般の改善が必要になります。この生活環境の改善には、医療にたずさわる医師・看護師・保健師・薬剤師の方などに加えて、家屋・建物、建材、生活品、食品などの生産と利用に係わる多くの 方、さらには街づくりに係わる自治体・不動産業界・大学などの関係者による協力が必要です。
ケミレスタウン推進協会は、シックハウス症候群やそれによるアレルギーなどの疾患に悩む方々が少しでも症状を緩和できるように、上述の関係者が協力して科学的な実証実験を行ない、またその成果の普及を行うために設立されました。まずは、シックハウスに対応した家屋、高層住宅、あるいは学校のモデルを、千葉大学・環境健康フィールド科学センターの敷地内に建設します。また、同じ敷地内で2004年6月以来、東洋医学診療を行っている、柏の葉診療所と連携して、患者様のシックハウス症状などの緩和に努めます。
さらに、近々、柏の葉診療所内に新設される環境医学診療科では、希望者の体内の化学物質濃度を測定し、生活改善に役立てる「化学物質の健康診断」を実施したり、シックハウス症候群を疑われる患者さんの相談に乗る予定です。ケミレスタウン推進協会のプロジェクト研究によって得られた成果は、柏の葉地区およびその周辺のまちづくりに活かされ、さらには全国規模、世界規模で、情報発信してゆく予定です。
千葉大学の環境健康フィールド科学センターは、従来の国立大学の枠を取り払い、学問分野間の壁を越えて、西洋医学、東洋医学、園芸、看護、教育などの分野が融合し、また、産業分野間の壁を越えて、さらには産官学の壁を越えて、市民の生活の質の向上に真に貢献するための研究を環境と健康をキーワードに、進めています。
このケミレスタウン推進協会の研究プロジェクトは、これまでに例のない、注目すべきプロジェクトであると自負しております。しかし、本推進協会の目標を達成するには、今後とも、数々のハードルを乗り越えなければなりません。私たちが、一致協力して、これからの日本のまちづくりの基本を動かしていく原動力となるように関係者一同が全力を尽くしたいと思います。ご理解、ご指導、ご協力を切にお願い申し上げます。